長寿実現のためのシームレス
超高齢社会の今、「老い」はもちろん国民的課題です。長生きしても、「長寿」とは限りません。大きな「老い」を抱えた社会が幸せであることを「長寿社会」といいます。その長寿社会の実現には、認知症が大きな課題であることは、誰しも認めるところでしょう。
「老人保健施設サントピアみのかも」は、「のぞみの丘ホスピタル」と一体となって、この認知症について取り組んで、社会に貢献したいと頑張ってきました。
認知症への取り組みは、「保健」「医療」「福祉」など、様々なところでなされています。
「保健」とは、健康づくり、予防活動、早期発見、早期支援などを含みます。それは、市町村など自治体と住民自身が継続的に取り組んでいく地域づくりそのものです。それにはまず、正しい医学知識に基づいたノウハウの共有が必要です。そのため、地域の方々と、専門職の繋がりが欠かせません。私たちは、地域の認知症予防活動に積極的に参加させていただき、包括支援センターの役割も担ってきました。また、認知症予防デイケアプログラムを運営しています。
「医療」は、日進月歩の医学の実践の場です。まず正確な診断が必要です。そのうえで、予防も治療も、そして、看護、介護、リハビリも正しい方向で実践されます。そして何より専門技術を発揮する人と場所が必要です。
私たちは、中部国際医療センターと連携して、最高度の診断を実現しています。そして、医療福祉、リハビリなど専門職が連携協力して、外来診療、認知症治療病棟、入所サービスなど、治療、療養の場を持っています。
認知症をめぐる「福祉」は、在宅支援や介護が活躍の場です。サントピアみのかもは、入所サービスのみならず、住み慣れたご自宅での生活継続の支援のため、デイケアやショートステイを充実させ、ご本人とご家族の地域での生活を支えてきました。訪問看護、介護の充実が急がれます。
「シームレス」(切れ目のないこと)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、まず、医療、福祉、保健などの諸機関が連携を密にして、共同して支援にあたるという意味です。「サントピアみのかも」と「のぞみの丘ホスピタル」を中心とした私たちグループの中には、そのいずれもがあって、互いに連携しあい、相互に影響しあって、チームによる実践を実現していきたと自負いたします。
また「シームレス」とは、おひとりの人生の経過の中で、必要とされるサービスが変わってゆく中で、支える側がその支え方を柔軟に変えて、人生を全うしてゆくまで支援を続けてゆくことをも意味しています。予防から看取りまで、人生のどのような状況にもそのニーズにこたえられるように、スキルと場を用意できるように努力してまいりました。
さらに、「シームレス」とは、私たちと自治体の方々、地域住民の皆様が、分け隔てなく問題を共有し、ともに力を合わせて、「長寿社会」の実現に力を尽くしてゆくことでもあります。
これらの活動を通じて、地域の一員として貢献すべく、私たちは一層努力を重ねてまいります。